ryo-tanの『チラシノウラ』ブログ

日々のしょうもない事が書いてあります

石ころを愛でる

私が就職して間もない頃、
実家から出ずにそこから通勤をしていました
母の親戚の集まりに参加した時の事
母の兄弟の長男は家庭で苦労していて
性格が540度ねじ曲がっていて
ベクトル方向もアチコチと
明後日の方向を向いていました

宿泊先で食事会が終わり男性陣の部屋で
寝ようとした所、その長男も同じ部屋で
一杯飲もうと言ってきました
仕方なく付き合うと、しばらくして
二十歳越えて就職した男が実家住まい
とはどうかしていると説教してきました
粗相がないように
「そうですよね」
「いろいろありまして」
と受け流していると
だんだんエスカレートしていき
『俺はお前の年齢の時には独立していた』
『俺の子供は就職したら家を追い出した』
『俺はお前の年齢の時は家を買っていた』
『俺は自分の墓をもう作っている』←よくわからない
『まだ家から追い出さないお前(私の)の父はどうかしている』
と実家住まいの事を非難していきます
程なく終わると思いきや何時間も続きます
3時間後位に
「わかりました、この旅行から帰ったら
すぐに一人暮らしをします」
と言うまで説教が終わりませんでした
とても不愉快な思いをしましたが
しばらくすれば忘れていました

数年後、母が話しかけてきて
その時の事をまだ怒っているかと
問いかけてきました
一瞬何の事かわかりませんでしたが
程なく思い出しました
私は
「あれは石ころにつまずいた様なもので
石ころに怒ってもしょうがない」
と言いました
母は
『兄が末期の癌ですごく痩せこけて
死期が近いので一回お見舞いに行かないか』
と言いました
私は
「パワースポットじゃあるまいし
なんで石ころを愛でに行かなくてはいけないのか」
と言い断りました
その石ころは程なく消えたそうですが
その報告を聞いてとてもすがすがしい気分でした